お正月飾りとして欠かせない鏡餅。
丸く美しいその姿には、古くから人々が大切にしてきた願いや、神様とのつながりを深めるための深い意味が込められています。
鏡餅を飾るのは単なる年中行事ではなく、私たちが新しい年を迎え、幸福を祈るための大切な儀式なのです。
この記事では鏡餅に込められたスピリチュアルな意味。そして鏡餅を彩る様々な飾りが持つ象徴的な意味についてご紹介します。
神聖な鏡餅を通して、古くから続く日本の伝統と、人々の願いを感じてみませんか?
鏡餅に込められたスピリチュアルな意味
新年を迎えるとき、人々はそれぞれの家で鏡餅を飾り、年の始まりの祈りを捧げます。この古くから続く風習には、深いスピリチュアルな意味が込められています。
鏡餅は年神様の依り代
鏡餅は、新年にお家々にやってくる年神様(歳徳神、恵方神などとも呼ばれます)をお迎えするための、いわば「お宿」のようなものです。年神様は、私たちに一年の無病息災や幸福をもたらしてくれると信じられてきました。
なぜ鏡餅は「鏡」なの?
鏡は、古来より神聖なものであり、神様の力が宿ると考えられてきました。鏡に映る自分の姿は、自分自身の魂を映し出すものと考えられ、鏡を通して神様とつながることもできる、と信じられていました。
鏡餅の「鏡」も、このような神聖な意味を持っています。つまり、鏡餅は、神様の力が宿る特別な場所であり、私たちと神様を繋ぐ役割を担っているのです。
なぜお餅を使うの?
鏡は神聖なものである一方で、一般の家庭では手に入れにくい高価なものでした。そこで、人々は、お餅を鏡の代わりに用いるようになったのです。
お餅は、稲穂から生まれた神聖な食べ物であり、神様の力が宿ると考えられていました。また、お餅は丸い形をしていることから、完全、円満、調和といった意味も持ち合わせています。
鏡開きで神様とのつながりを深める
鏡開きの日には、鏡餅を割って、その年の無病息災を祈ります。これは、鏡餅に宿っていた年神様の力をいただく、という意味があると考えられています。
鏡餅に込められた願い
鏡餅に込められた願いは、人々の暮らしと深く結びついています。一年の無病息災、家族の繁栄、家内安全など、人々が願うものは様々です。
鏡餅を彩る、それぞれの想いを乗せた飾りたち
鏡餅は、お正月を彩る象徴的な存在です。お餅そのものに深い意味が込められていることはご存じかと思いますが、実は、鏡餅を飾る様々な飾りにも、それぞれに願いや意味が込められているのです。今回は、鏡餅を彩るそれぞれの飾りが持つ、スピリチュアルな意味についてご紹介します。
橙(だいだい)
鏡餅の一番上に飾られることが多い橙は、単なるみかんではありません。青い実が冬になって黄色く色づき、熟してもなかなか枝から落ちないことから、長寿の象徴とされてきました。「代々栄える」という意味も込められており、縁起の良い果物として重宝されてきました。受験生など、未来への願いを込める際に飾られることも多いです。
譲葉(ゆずりは)
橙の下に敷かれることが多いゆずりはは、親子草とも呼ばれます。新しい葉が成長すると古い葉が落ちる様子から、子孫繁栄や家系が途絶えないようにとの願いが込められています。また親から子へ、世代を超えて受け継がれるという意味も持ち合わせています。
串柿
お餅の上に乗せられた串柿は柿そのものが長寿の象徴。それだけでなく「幸せをかきとる」や「出世街道を駆け上がる」といった縁起の良い言葉から、より良い未来への願いが込められています。
串に刺された柿の数にも意味があり、通常は真ん中に6個、外側に2個ずつ刺され、「外はニコニコ、仲睦まじく」という願いが込められています。
昆布
昆布は古くから朝廷に献上されていた貴重な食材です。「養老昆布」と書き「よろこぶ」に通じることから、縁起の良い食べ物として重宝されてきました。
「広布」や「夷子布」といった呼び名もそれぞれ「広がる」や七福神の恵比寿に通じることから、縁起が良いとされてきました。
裏白(うらじろ)
シダの葉っぱである裏白は、葉の裏が白いことから「夫婦がともに白髪になるまで仲睦まじく生きられるように」や「後ろ暗いことがないように」といった願いが込められています。
紙垂(しで)
カミナリ状に切った紙の飾りである紙垂は、稲穂が垂れた様子を表現しており、豊作を願うとともに、神聖なものを表す意味も持ち合わせています。
鏡餅は願いの形
鏡餅を彩るそれぞれの飾りは単なる飾り物ではありません。人々の願いや祈りが込められた、「想いの形」と言えます。橙の長寿、ゆずりはの繁栄、柿の幸福、昆布の喜び、裏白の夫婦円満、そして紙垂の豊穣など、これらの願いは古くから人々が大切にしてきたものです。
鏡餅を飾るときにこれらの飾りの意味を心に留め、新しい年への希望を込めて、穏やかな気持ちで新年を迎えてみてはいかがでしょうか。
縁起物に込められた言霊の力
縁起物に共通して見られる語呂合わせ。
そこには古くから日本人が信じ続けてきた「言霊(ことだま)」という考え方があります。古代から日本では言葉には力があり、口にした言葉は現実となる。そう信じられてきたのです。
縁起物に良い言葉が選ばれるのは、その言葉の持つ力によって幸福を招き入れたいという願いが込められているから。例えば、「招き猫」の「招く」や、「だるま」の「達磨」が「達磨大師」に通じるなど、言葉の響きから縁起の良い意味を読み取ることができます。
鏡餅は神様の力が宿る特別な食べ物
鏡餅は単なるお餅ではありません。正月にお迎えする年神様の依り代として、神聖な意味を持つ特別な食べ物です。神様の力が宿った鏡餅をいただくことで、その力を分けていただき、一年の無病息災を願うという、深い意味が込められています。
家庭で作る鏡餅の意義
昔は、各家庭で鏡餅を手作りすることが一般的でした。自分たちの手で作った鏡餅には、家族の願いや想いが込められ、より一層神聖なものとされていました。
現代では、市販の鏡餅を利用することも多くなりましたが、大切なのは鏡餅に込められた意味を理解し感謝の気持ちを持って新年を迎えることです。
まとめ:鏡餅を通して感じる願い
鏡餅に込められた意味は単に縁起が良いというだけでなく、古くから続く日本の伝統や、人々の願いが凝縮されたものです。
鏡餅を飾る、鏡開きをするという行為は私たちが神様とつながり新しい年への希望を託す、大切な儀式と言えるかもしれませんね。
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